遅夜勤、いつもなら飯食って子供の風呂の面倒見て、8時半までに外出する。今日は6時ころプイと出てしまった。
俺の居場所がなかったし、俺がいる必要もなかったから。
今まで、晩御飯の支度中のせわしなさとか、二人の子供を風呂に入れる嫁の負担とか、あれこれ面倒見なければならないと思ってギリギリまで家にいたわけだ。
保育園のお迎えに行くこともあったけど、今日は連絡がなかった。
帰ってくるなり娘が壊れた。
故意でなくとも1歳の息子を蹴飛ばすに及んで、俺が娘を押さえ伏せた。痛い、痛いとさらにギャア泣き。いつもの修羅場。普段なら落ち着いてじっとしていたわけだけど、本当に嫌になって「もう行っていいか」と嫁に訊いた。
「いいよ」と平静を装って言うから、イヤミないし当てこすりのつもりだった俺の言葉は、それを実行せざるを得なくなった。
呆然と支度を始めても誰も止めないし、実際前の晩に喧嘩したときにも考えていたことなので、あっさり出勤となった。
前の晩、いつになく息子がグズるので、食事が思うように捗らなかった。そのうち苛ついた嫁がキレて「眠いのなら寝なさい」と布団を敷いて息子を寝かせる段取りを始めた。
俺も苛ついていたから、食ってる俺と娘を放置して、まだまだ寝るはずのない息子を寝かそうとする嫁に憤った。
「俺が抱っこするから食え」と嫁を食事に向かわせたが逆ギレ。俺に食わそうとして努力しているのに、という言い分らしい。
こっちにしてみれば、そうやって大騒ぎの嫁と子供たちを放置して、食事などできるわけがない。たびたびあったことだけど、この日の嫁は執拗に食い下がり、もう片付ける、と子供たちの分まで食卓から引いてしまった。
俺は息子をあやしていたが、それきり嫁は態度を硬直させ、子供たちを風呂に入れる段取りとなった。
風呂から就寝まで、日々の父親のつとめを果たしたが、嫁との接触はなく、俺の腹立ちは収まらなかった。
俺にくってかかりやがった。そのくせ子供の着替えや歯ブラシを、平然と俺にまかせやがった。
俺は、自分の両親のことを考えた。
嫁と子供は早々と就寝したが、俺は何も言えず、黙ってじっとしていた。
俺にくってかかるやつの手伝いなど二度としない。
俺にくってかかるやつの面倒をみる義理はない。
洗濯物を畳んだり、食器を洗ったり、子供をあやしたり、買い物に行ってやったり。。。生活費を与えたり!
心底馬鹿馬鹿しく思えた。
ところが!
離婚しない限り、俺の憤りは予定調和で終わるのである!
このまま出て行ってしまっても、いずれ帰宅する滑稽。
こっちから折れれば、より一層ナメられる不利。
おお、惨めなるかな、関白亭主の理想を持った優男!
自身の中途半端を恨むべし。