2006年01月02日

ぼくたちのお祭り

「ねえ、お祭りしたい」
ぼくは、その発言には特に返事をしなかったのです。
お御輿、見物人、女性の鉢巻き、男性の褌、神社、お祓い、笛、太鼓…
ぼく達が好きな勇壮なお祭りには、独特の卑猥さや淫靡さが匂うのです。
荒々しい男達は、何処へ向かうのだろう。逞しい熱気は、何を求めるのだろう。
そうして彼女が、ぼくの手を引いたのでした。***
…温まって、潤んできた女の子ちゃんを前にして、俺サマはさらに緊張を増し、
直立不動の体勢となった。
汗の出てきた俺サマは、その頭の頂をそっと女の子ちゃんに押し当てた。暖か
いもの同士は馴染みやすかった。俺サマの圧力は、難なく女の子ちゃんに吸収
され、俺サマは微動しながらトンネルを掘るように前進していった。
俺サマは女の子ちゃんにすっかり沈んでしまった。その具合がとても心地良か
ったが、じっとしていると緊張が緩んで女の子ちゃんから押し出されてしまう。
だから俺サマは何度も何度も出入りを繰り返した。それは、緊張を持続させる
ためでもあり、その極みにおいての開放を望む為であった。お互いの間から溢
れてくるものの量が、来るべき開放への進み具合であるように考えていた。
…俺サマに、入っては戻り入っては戻りされて、女の子ちゃんは自分が膨張し
ているの自覚した。それは、女の子ちゃん自身の形を変え、女の子ちゃんを夢
の中へ誘う、全く別の力、俺サマの動きとも関係ない、生命そのものの力であ
るようだった。
女の子ちゃんが望んだのは、硬直した俺サマの絶え間ない反復運動であった。
そして女の子ちゃん自身は、完全な受動態でありたかったけれども、別の力、
母性と言えるだろうか、それは、ある瞬間反復運動の終わることを心得ていて、
女の子ちゃんの状態をコントロールしているのであった。
…皮膚を擦らせ、そこに神経が集中し、その刺激に興奮し、また擦らせ、また
擦らせ、お互いすっかりバカになった頃、女の子ちゃんの奥にある別の力、恐
らくは母性、が現われた。
ひゅう!女の子ちゃんは突然膨らんで、俺サマは巨大バルーンの中で遊ぶ子供
のように見えた。密着していた皮膚が離れて、それまでとは違う感触になった
ので、女の子ちゃんと俺サマは急上昇し、お互いの感覚は極みに達した。
俺サマに熱いものが込み上げた。
さあ!と母性が、来たるべき者の取り込みにかかったとき、そこには既に俺サ
マの姿は無く、弛緩した女の子ちゃんが空虚を抱え、余韻に震えているだけな
のであった。
***ぼくの頭に浮かんでは消える、豪快なお祭り男のイメージを払拭するつも
りで、今日のぼくは必要以上に、腰の動きを早めていたのです。
ぼくは、ああいう人たちと違う、優男だから。
お祭りが終わって、どうしてお祭りが好きなのか、お腹に出したぼくの体液を
拭っている彼女に訊いてみると、ぼくには少し意味不明の返事だったのです。
「頑張ってるトコ、見れるから」

◆第3回 3D文章塾(略称ゼミ)
◆課題「セックス」
課題の内容に沿って、本当のことの中に1カ所だけ嘘を入れて、1400字以内の文章にまとめてください。

Posted by chitoku at 2006年01月02日 22:46 | トラックバック
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