今宵、私と布団を並べて、豪快な寝息を立てている男こそ、我が親友、我が竹包の友である。
幼馴染であったけれども、高校進学において離れ離れになってしまった。
それまで、どんなクラス分けになっても、常に徒党を組んでいたわけだ。
お互いのことで、知らぬことは無かった。家族構成、好いている女子、敵対関係、父親の仕事、成績表の中身、そして体の隅々に至るまで…
…お前はいつも、おっかなびっくりで、「大丈夫かな、大丈夫かな」が口癖で、俺が自転車で転んだときも、お前がラブレター貰ったときも、二人で家出未遂したときも、それから自分の小さいタケノコ見せながら!
俺も打ち明けない訳にいかなかったよ。お前に俺の「かっぱえびせん」見せたら、頑張ろうなってお前が抱きついてきたんだ。さすがに逃げようと思ったけど、お前がホモじゃなくて良かった。でもなあ、あの時俺はウソついた。ごめんよ、頭は出そうと思えば出たんだよ、お前と違って。
私は高校を卒業して、ここ東京の専門学校に進学して2年目に突入。我が友は大学生だが、地元で一年浪人していたから、私に一年遅れて、今年から下宿生活をスタートさせている。
その最初のGWに、我が友は帰省より先に、私の下宿を訪れてくれたのだ。私は、誇るべき友のためにピザを配達させ、「下町のナポレオン」を事も無げに振舞った。
私は、若干の先輩風を吹かして、独り暮らしの何たるかを語って聞かせた。
友は、地元の話、誰がどうなったとか、アイツとアイツがくっついたとか、その他懐かしい友人たちの四方山話をたくさん語ってくれた…
…さっき、ユニットバスから出たとき、お前が頑なに前を隠すから、何だかすっきりしないんだ。
そのあと俺がシャワー浴びて、何もつけずに出たと言うのに、お前は一度見たきり、その後ちっとも俺の方を見なかったし。
俺、実はさあ、いつもは頭隠してるけど、筆おろし済んでるぜ、痛い思いはしなかったよ。お前はこれからだと思うけど、ん、そっちの話忘れてたな。
おお今宵、寝返りを打つ我が竹包の友よ、私が寝付けなかった理由は、恐らくそのことにあったのだ。私は、何故か胸騒ぎを覚え、細心の注意を払って寝ている友に近づいた。
強行か!いや大人のすることではない。胸騒ぎが収まらない。ああ!
私は息を止めて手を伸ばし、慎重に我が友の、トランクスの裾を広げた。
ムケていた。
かのタケノコは、節くれ際立つ、猛々しい青竹に生長していたのである。
非常によそよそしい図体が、そこに寝っ転がっていた。
…
◆第1回 3D文章塾(略称ゼミ)
◆課題「友人」
課題の内容に沿って、嘘の中に1カ所だけ本当のことを入れて、1400字以内の文章にまとめてください。