ゆられて、泳がされて、浮いたり沈んだり、
でも結局同じところにあるブイだよ。
地図にも載らない小さな浜辺
海の匂い、人の体臭、精子のような磯臭さ。
焼くんじゃない、暑いんだと言ってシャツを脱いだ。
海を見たいからここにいるんだ、と決して海に入らなかった。
自分で決めなかったこと。
自分で決めたかったこと。
家族はいらない、きょうだいも恋人も。
国籍も、話し言葉も、自分の名前さえ。
必要ないのに、いつも真ん中にある臍。
もともと何も望んでいなかったんだ。
骨骨しい体躯を陽に晒し、水平線の「すげえもん」を探した。
流行りの甘い匂いを嫌って、直に紫外線を浴びた。
海が汚れて、かさが減って、油が浮いても動じない、
何年もそこにあった、ブイだよ。
邪魔だと言って、お前が睨んでいるのは。
Posted by chitoku at 2005年02月09日 00:27 | トラックバック