2004年06月25日

名前

自分らしさを演出する、名刺交換の儀式。
名乗ることの気恥ずかしさ。
激しい脈が心臓を叩く。
予定に無い自己紹介は、肉体的にも危険だ。

思い描くことの全てが、他人のものであるような不安。
住民票の名前をよそよそしく感じること。
聞き慣れない、録音された自分の声。
写真の人物が自分だと認めたくない心。

青年の顔をして帰る自分の家はあるか。
自分の裸足で歩く憩いの場所があるか。
他人であることの自由!
俺は、他人らしく生きたいのだ。

他人は自分、自分は他人。
自分の判断を信用していない。
自分の言動をうそ臭く感じる。
自分らしさの不自由!

自分ではない、自分以外の何者かでありたい。
どうして名乗る相手ごとの名前が無いのか。
出会った人数ぶんの名前が無いのはなぜか。
答えなど無いのだ。
自分が他人でいるために、自分を特定してはならないのだ。

知り合いの数だけ、名前を持ちたい。
自己紹介の都度、名刺を変えたい。

Posted by chitoku at 2004年06月25日 02:39 | トラックバック
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