選択の理不尽

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私は選挙が心底嫌いで、今まで一度も投票したことが無いのです。
理由を尋ねられても、その都度「よく分からないから」「興味ないし」と取り合わなかったけれども、信頼できる人から改めてその理由を問われ、また長女が5歳ということもあり、多少真剣に考えてみたのです。

・政治が分からない
・各政党の違いが分からない
・立候補者をよく知らない
・選挙の制度を理解していない
・投票しても責任が持てない
・知らない人や政党を支持するということの不快
・休日を使うことの不快
・興味がない
・勉強や調べものが面倒くさい
・国民主権、国民が選ぶという体裁のうそ臭さ
・多数決が民意の多数派しか反映できないこと

一生懸命考えて、箇条書きにしてみたけれども、当たっていそうで、全部違う気がする。投票に行かない別の誰かを想像して語らせた台詞のようなヨソヨソしさ。

投票...。
小中学校や高校で生徒会長とか委員長とか決める時にも、投票は行われた。俺はやっぱり嫌いだったし、出来るだけ避けていた。実際すっぽかしたこともあったと思う。
だって単純に、友人関係が難しくなるし、負けた方が気の毒だし。
今でもあるんだろうか、小学生の生徒会長選挙戦。俺の記憶では、先生達もやけに厳粛な面持ちで、体育館に投票箱があって、列を組んで順番に、小箱の中に票を落とした。立候補した候補者達は、全校集会で演説していたと思う。みんな、自分のクラスの仲良し君に投票するわけだけれども、まれにクラスの生徒数の半分しか得票できなかったやつがいたりして、号泣しているのをみんなでニヤニヤ見物していた記憶もある。少なくとも、明るく楽しい思い出ではない。
国政選挙とは違うか?否、本質は良く似ている。
ただし、授業の一環かどうか知らないけれど、半強制的に参加させる学校内選挙の方が性質が悪い。立候補にしても、裏で先生が任意の優等生に入れ知恵していたし。そんな茶番でさえ、投票する側は、誰かを選ばなければならない。
例えば俺は、けんちゃんとも橋本さんとも市川君とも仲良しでいたいのに、誰か一人を選ばなければならなかった!
投票の後、誰に投票したか聞かれるのが恐かった。告白の勇気は無かった。
選挙で投票した人は、尋ねたら教えてくれるのだろうか?

誰か一人を選ばなければならなかった...
幼少の頃、父か母かいずれかを選べと、本人達から問い詰められたことが何度かあった。
「おい!ばばあと実家へいくか!え?」
「こんな所にいるとろくな目にあわんよ!」
「てめえは黙ってろ!おい、自分で決めろ!」
「言いなさい!どっちがいいの!」
もちろん、ギャア泣きする他なかった。間違っても、どっちがいいなどと口に出来ない。小さい子供にとって、親に好きも嫌いもない、優劣もない。どちらからも同じようにかまって欲しいのである。

選択の理不尽とは、私のとても古い、悲しい記憶なのでした。
私の、かなり深い部分に澱んでいる、性格決定因子。
任意の誰かを選ばなければならないことに対する私の嫌悪は、平たく言えば、ある種のトラウマだったわけです。

コメント(2)

ちとくさんへ

何だか心の深い部分に触れてしまったようで・・ちょっと居心地の悪さを感じています。ごめんなさい。

よくわかりました、と言いたいところですが、ごめん、わからん。

ここでは、ちとくさんの心情の部分はスルーさせていただいて(それは、ちょっとなかなか簡単にはコメントできない。)、『選挙』という部分についてだけ書かせていただきます。

諸々の事情で、ちとくさんは選択する、という行動に抵抗があるらしい・・。そこまではわかったことにします。
しかし、その理由が全ての選挙を拒否する理由として納得出来るか?というと残念ながら何でだろう?です。
生徒会長選挙などの話になると、それはそれで理解出来る気はします。立候補者全員お友達ですもんね。
たとえば、市会議員とか、市長レベルの話なら、立候補者の両方や何人かが知り合いで、ひとりを選ぶのが難しい・・とかいう状況も時にはあるかと・・。その時に選挙に行かない、というのはありでしょう。

きっと私が知りたいのは、ちととくさんが『なぜ選挙に行かないか?』ではなく、なぜ選挙に『絶対に』行かないのか?ということなんだと思います。
全く余計なお世話ですね。自分でもそう思うけど、ちとくさんであるだけに訊いてみたいと思いました。

ちょっと今時間がないので、なぜ私が『絶対に』選挙に行こうと思っているか、について書くことが出来ませんが、いずれ機会があればお話ししたいように思います。

最後にひとつ。こうしてちとくさんとブログを通じてお話ししているとき、とても不思議な感情を覚えます。なぜちとくさんはこう思うのだろう?とか、なぜちとくさんはこう感じるのだろう?とかいうことを私は気にする・・と言うか、知りたいと思うのだろう?・・と。

ちとくさんという人を知ることが出来たことを本当に偶然に感謝しつつ、うれしく思うのです。

それもこれも村松恒平様Tシャツのおかげですね。そう言えば村松さんとのめぐり逢いもネットなくしてはなかったなぁ・・と思います。何で始めたんだっけ?あのメルマガ。まぐまぐの読者が多いメルマガリストの中で見つけたような・・・それがここまで来るなんて・・ネット社会バンザイ!!

行動パターンを変えないことも素晴らしいけど、変えなかったパターンを変えるのも素晴らしいんじゃないか、と思う今日この頃。

中途半端な書き込みですが、今日のところはこの辺で。

mayuojiさま

>ちょっと居心地の悪さを感じています。ごめんなさい。

ごめんなさい、だなんて恐縮です。私の方こそすみません。

>よくわかりました、と言いたいところですが、ごめん、わからん。

へい、そう言って頂けると思ってました。

>きっと私が知りたいのは、ちととくさんが『なぜ選挙に行かないか?』ではなく、なぜ選挙に『絶対に』行かないのか?ということなんだと思います。

これにお返事するのは、とても難しいです。
そもそも「行かなくてもいい仕組み」だから。
例えば、強制参加でありその根拠が明確なら、その根拠に反論する形で行かない根拠を論ずることが出来ると思うのです。でも、絶対に行かなければいけない、ということを説明するのもトコトン難しそうです。
絶対に行く!という人が根拠にするところのものを、俺が持ってないあるいは理解し得ない。。。
あと、俺にとって嫌な事ばかり、喜ばしいことは一つもないと言えます。
結果として、いずれかの政党ないし政治家の誰かの権力拡大に加担している自分というのも寒気がします。
ここに居たければ、気に入らないことも我慢します。
我慢出来ないなら、ここを去るほかないと考えます。

>ちょっと今時間がないので、なぜ私が『絶対に』選挙に行こうと思っているか、について書くことが出来ませんが、いずれ機会があればお話ししたいように思います。

とても興味があります。
いろいろ言っちゃいましたが、mayuojiさんの絶対に行く根拠を伺って、考えを変えるかもしれません。

>ちとくさんという人を知ることが出来たことを本当に偶然に感謝しつつ、うれしく思うのです。

もちろん私も。
未だに、「村松恒平Tシャツ」よろずやでのご購入は、mayuojiさんだけだったりします。とほほ。
ミクシィでお会い?した時は本当にビックリでした。
mayuojiさんからいただいたご意見なども、私の子育て辞書に刻まれております。
選挙からは、トコトン逃げまくりますが、今後も何卒宜しくお願い申し上げます。

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★2009年6月末日まで「chitoku TシャツSHOP」にて、カブトTシャツご購入の方に『火星パンダちとく文学』進呈中!⇒お申込みはメールで、Tシャツの注文控えを添付して、chikajoアットマークchitoku.netへ送信してください。(注:Tシャツの返品はご遠慮ください。。。)

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プロフィール

■chitoku(ちとく) 1969年山梨県生。様々な業態、職種で会社員として勤務する傍ら、『文芸山脈』同人を経て「村松恒平 文章学校」の案内係としてメルマガ編集・発行及び「文章ゼミ」運営に参加する。「文集 地下城」は詩歌を含む習作掲載サイト。2009年4月、同門の上野家ぱん駄、火星紳士との合体作品集『火星パンダちとく文学』で掌編小説作家としてデビュー。

火星パンダちとくのちとくです。

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