去る10月1日、大いに盛り上がった<表現の会>、未だ消化しきれない程の刺激と興奮に満ちたイベントであった。
今回は3本立て、お話(講義)、ゲーム30ドル、へたうま書道。
最初のお話は、やや難しめなのかもしれないけど、何度か村松さんの会に参加していると、いままでの会との共通性や一貫性が見つかるので、とても良く頭に入るのである。内容は、人体モデル図を駆使した(笑)個性を導き出す表現方法?とでも呼ぶべき村松さんの独壇場。
「頭で考えたってダメで、腹から出さないと」というのは、村松秘伝系共通要素で、この日もその根拠が分かり易く語られたのだ。
人の体の中心、仙骨と呼ばれる辺りにこそ、心の中心も存在するというわけで、そこから出たものでないと、受ける側の中心までは届かない。中心から最も遠い頭で考えたことは、同様に頭で受け取られ、心と心の通わない皮相なやり取りでしかないだろう。
じゃあどうすれば腹から表現できるのか?その問いを引きずりつつ、30ドルゲームへ突入。
これは村松秘伝系定番となった、言葉を送る遊び。私にとっては一番興味があるけれども、一番不得手な遊びである。
集まった人々から任意の一人に対して、最も適切な、あるいは瞬間第一印象として、腹で感じたままをメモに書いて、その言葉をその人に買ってもらう…私は単に、印象を言葉にすることが難しい、考えてしまうからだ。
この日は、2枚売れて、2枚買ったが、売り込まれたのは5件くらい、そのうち買った2枚が恐らく「腹」から出て私の「腹」に届いたのだろうと思う。買わなかったのは、私が想像し得る、私っぽい言葉で、買った2枚は思いがけない、とても単純な短い言葉であった。結局、私が考える私自身なんていうのも、頭で考えた私に過ぎないのだろう。腹に隠された、もっと深い私がどうすれば見えるのか?私にも分からない腹の中から、表現など出来るのか?
問いは更に深まって、へたうま書道へと会は進行する。
安い墨汁で十分、筆も100円ショップで、紙は何でもいいでしょう、下敷きなし、文鎮なし。…学校教育で仕込まれた「お習字」を忘れてみよう!というわけだ。
一番初めに、参加者全員「〇」を書いた。単に「大きな丸を書いて」と。とりあえず、ウォーミングアップみたいなものだと思って油断したわけだが、これがすでに、へたうま書道の何たるかを物語っていたのだ!
形や大きさはもとより、線の太さや筆のかすれ具合、始点と終点のくっつき方とか線のムラとか微妙な変形具合とか、参加者全員「異なる丸」だったのである。
そりゃあそうだと言えばおしまいだが、何だかそれだけのことながら、私はとても興奮したのだ。見た目の違いが、それぞれ固有の印象を持っていたからか?そこに表現された違いは何だ?
そう、頭で考えたわけではない「〇」というシンプルな画筆において、理屈や既存教育の反映してない、素の自分が現れている!と解釈出来るではないか!
その他いくつか、みんなで同じあるいは異なる文字や絵を描いたのだが、百人百色なのである。情報量という意味でも、とてつもなく多いのだろう。それに比べて、テキストデータなど極めて情報量少なかろうと思えたのです。
その最中に配られた、「書道秘伝書」なる一枚の紙、頭でなくて腹から表現することの極意なのだと理解した。キモの部分だけ抜粋させていただけば、「書いてしまった文字は、生きてしまった人生に等しい」……
蓋し名言である。読んで目頭を熱くしたchitokuなのである。

たいした数ではないchitoku作品の、少しは面白みがあるものこそ「腹」から出た言葉なのであろう。ほとんどの面白くない作品は、考え考えして、無い知恵絞りきった、中心から程遠い言葉の羅列に過ぎない。
改めて、そう実感せざるを得なかった。

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Office Chitoku通信 - 報告その他 (2005年10月 6日 00:06)

えーと。 先週も今週も本当にいっぱいいっぱいで、 Office Chitoku通信 どころじゃないかも知れないのですけど。 今日、私が案内係を務めたレポートを「地下城」に掲載。ひっさびさの地下城更新でした。 「文章が上達する学校」主催村松恒平さんは、早くも次のイベントを... 続きを読む

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■chitoku(ちとく) 1969年山梨県生。様々な業態、職種で会社員として勤務する傍ら、『文芸山脈』同人を経て「村松恒平 文章学校」の案内係としてメルマガ編集・発行及び「文章ゼミ」運営に参加する。「文集 地下城」は詩歌を含む習作掲載サイト。2009年4月、同門の上野家ぱん駄、火星紳士との合体作品集『火星パンダちとく文学』で掌編小説作家としてデビュー。

火星パンダちとくのちとくです。

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